第99回全国高校サッカー選手権大会にて、論争が巻き起こった「ロングスロー」を多投する戦い方。
「あり」か「なし」か。
あなたはどう考えますか?
また、もっと下の育成年代に与える影響はあるのでしょうか?
結論:「あり」という方向で終息をむかえつつある。
ロングスローについて、それまでも意見がチラホラでていましたが、一気に脚光を浴びたのは3回戦の青森山田VS帝京大可児戦でした。
試合後、様々な意見を見たり聞いたりしましたが、まさに賛否両論といった感じでした。
しかし、Jリーガーや解説者がほぼ支持に回ったことから、「あり」という方向で終息をむかえつつあると感じています。
何故このタイミングだったのか?
ではなぜ今回のこのタイミングで大きな話題になったのでしょうか。
試合の流れを整理してみましょう。
●今大会、青森山田は「絶対王者」と呼ばれ、優勝候補筆頭。ファンも多いが強豪には一定数のアンチがいるもの。
●試合開始。予想に反して、帝京大可児が互角の立ち上がりを見せ、前半7分に素晴らしいドリブル、パスの崩しから先制ゴール。
●その後もパス、ドリブル、テクニックを存分に発揮する魅力的なサッカーで、ジャイアントキリングの期待を抱かせる展開。
●逆に、青森山田はコンディションが悪い?いつもの「らしさ」が感じられない。
●しかし、チーム力で上回る青森山田が実力を発揮して攻勢を強め、徐々に相手陣地に押し込み始める。
●帝京大可児は、強力なプレッシャーにクリアが小さくなり、タッチラインに逃げる事が増える。
●青森山田は、全てロングスローを選択。必ずゴール前に長身DFが攻め上がる型があり、相当練習を積んでいる模様。
●その後もボールが外に出ては、ロングスローをゴール前に投げ込む単調な時間が暫く続く。
●青森山田が何度目かのロングスローからついに得点!同点に追い付く。
●その後も、徹底してロングスローを選択し続ける。
●再びロングスローから2点目を取り、逆転に成功。
●帝京大可児のジャイアントキリングの可能性が遠のく。。
帝京大可児が王者にひるむことなく、サッカーの醍醐味であるスペクタクルなサッカーを志向したのに対し、青森山田が大会屈指の実力があるにも関わらず、セットプレーにこだわってつまらない戦いをした、という印象が多くの人に残った。
青森山田じゃなかったら?
恐らく「青森山田なら、攻守に圧倒して流れの中から点を取って勝てよ」と思う人が多かったのでしょう。高い期待の裏返しですね。
つまり、今回の「優勝候補」「絶対王者」の青森山田が多投したからこそ、批判する人が現れたのです。
また、ロングスローがサッカーの戦術として、今までそれほど議論されてこなかった事もあり、「アンチフットボール」と感じた人が何人もいたわけですね。
相撲で例えれば、横綱が「かちあげ」をしたり「はたきこみ」をすると品格がない、止めるべきと批判されるのと同じような構図です。
ルールでは誰が何回使ってもOKですが、もちろん批判する人もそれは承知の上です。
私自身も試合をリアルタイムで見ていましたが、ロングスローが繰り返される時間帯になると、試合がつまらなく感じ、正直「青森山田がさすがにこれはどうなの?」と思った口です。
育成年代への影響は?
これほど話題になったので、影響はあるでしょう。
小学生、中学生でもこれからロングスローを使うチームは出てくると思います。
うちの子も早速練習をしていました。。飛びませんが。。
選手の大型化はこれからも進み、筋力もますますついてくることで、遠くに投げれる人も増えるでしょう。
しかし、ロングスローが戦術として定着するかどうかは、現時点では分かりませんね。
いつか再び今度は小学生、中学生年代で議論される日がくるかも知れません。
最後に、仮定の話ですが、もしJクラブのアカデミーが戦術として積極的に取りいれたら、あなたは果たしてどう思いますか?
以上いかがでしたでしょうか。
では、また。